お知らせ・コラム
- コラム
- 2026/09/14
実家を相続したら…空き家をそのままにする前に知っておきたいこと
実家を相続したら…空き家をそのままにする前に知っておきたいこと
「親が亡くなり、実家を相続することになった。でも自分は別の場所に住んでいるし、住む予定もない」 「思い出のある家だから、すぐに売るのも抵抗がある。とりあえずこのままにしておこうか…」
相続をきっかけに、こうした悩みを抱える方は少なくありません。しかし、空き家をそのまま放置しておくことには、思っている以上のリスクが伴います。
今回は、相続した空き家について「売る・貸す・放置する」という3つの選択肢を整理しながら、判断のポイントを解説します。
空き家を放置するリスク
まず知っておいていただきたいのが、空き家をそのまま放置することのリスクです。
建物の老朽化が急速に進む
人が住まなくなった家は、換気や通水が行われないため、想像以上のスピードで傷んでいきます。雨漏りやシロアリ被害、害虫の発生、庭木の繁茂による近隣とのトラブルなども起こりやすくなります。
固定資産税が最大6倍になる可能性がある
住宅が建っている土地には「住宅用地特例」という税制優遇があり、固定資産税が軽減されています。しかし、老朽化が進み倒壊の危険があるなどの理由で自治体から「特定空家等」に指定されると、この特例が解除され、固定資産税の負担が大きく増える可能性があります。
近隣トラブルや行政指導のリスク
管理が行き届かない空き家は、不法侵入や放火のリスク、景観の悪化などから、近隣住民とのトラブルに発展することもあります。自治体からの助言・指導・勧告、さらには命令の対象になるケースもあるため注意が必要です。
このように、「とりあえず放置しておく」という選択は、時間が経つほどリスクが大きくなっていく点を、まず押さえておきましょう。
選択肢①:売る
思い入れのある実家を手放すことに抵抗を感じる方も多いですが、「売る」という選択には次のようなメリットがあります。
メリット
- 管理の手間や固定資産税の負担から解放される
- まとまった資金を得られ、相続人間での分割もしやすくなる
- 空き家のリスク(老朽化・近隣トラブル等)から根本的に解放される
注意点
- 売却には前提として「相続登記」を済ませておく必要がある(2024年4月から相続登記は義務化されています)
- 相続人が複数いる場合は、誰がどのように相続するかを決める「遺産分割協議」が必要
- 建物の状態によっては、解体してから売却したほうが良いケースもある
選択肢②:貸す
「手放すのは抵抗があるが、活用はしたい」という方には、賃貸として貸し出す方法もあります。
メリット
- 資産として残しながら、家賃収入という形で収益化できる
- 将来的に自分や家族が住む可能性を残しておける
注意点
- 立地や築年数によっては、そのままの状態では借り手が見つかりにくい場合がある
- リフォームや設備更新に一定の費用がかかることがある
- 入居者対応や修繕など、管理の手間そのものはなくならない(管理会社に委託することは可能)
選択肢③:そのまま持ち続ける・判断を先送りにする
「まだ決めきれない」「思い出があるからすぐには決断できない」という気持ちは、決して珍しいことではありません。ただし、前述のとおり、判断を先送りにしている間にも、老朽化や税負担のリスクは着実に進行していきます。
「今すぐ結論を出す」ことよりも、「いつまでに、何を基準に判断するか」を決めておくことが、結果的に負担を減らすことにつながります。

判断のポイントとチェックリスト
売る・貸す・そのままにする、どれが正解かは家庭の状況によって異なります。以下のポイントを整理してみましょう。
①住む予定はあるか
自分や家族が将来的に住む可能性はあるか
②維持費・管理の負担に耐えられるか
固定資産税、修繕費、交通費(遠方の場合)などを継続して負担できるか
③活用の見込みはあるか
賃貸需要のあるエリアか、リフォームで再生できる状態か
④相続人間の合意は取れているか
複数の相続人がいる場合、方針について認識をそろえられているか
また、相続した空き家を売却する場合、一定の要件を満たせば「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」により、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度もあります。適用には期限や条件があるため、早めに確認しておくことをおすすめします。
まとめ
相続した実家をどうするかは、金銭的な問題であると同時に、家族の思い出や気持ちにも関わる、簡単には決められないテーマです。しかし、「決めきれないまま時間だけが過ぎてしまう」ことが、結果的に一番負担の大きい選択になってしまうこともあります。
「実家をどうすればいいか整理がつかない」「まずは今の資産価値や選択肢を知りたい」という方は、お気軽にご相談ください。ご家族の状況やお気持ちに寄り添いながら、売却・賃貸それぞれの可能性を丁寧にご提案いたします。



